2013年9月29日日曜日

コンパス測量器の方位の精度

森林・林業界では牛方商会のコンパス測量器(レベルトラコン/トラコン/ポケットコンパス)がスタンダードです。コンパス測量器は磁石で方位を測るので、携帯電話を胸のポケットに入れていたりすると、測量結果が大きくずれてしまうという危険があります。近くに車を止めているだけで針が振れるし、トラックが近くを通過すると針が小刻みに動きます。コンパス測量器は周囲に電気や金属のない山の中でしか使えないんでしょうね。

島根大学三瓶演習林内にGPSの誤差を検証するためのテストコースを作っているのですが、精度が求められるのでGPS基準局を運用している座標既知点からトータルステーションでつなぐことで、その測量を行いました。ただし、トータルステーションでは方位がわからないので、方位だけはコンパス測量器を使いました。

しかし、どうしても測量結果にずれがあるように思われたので、二周波GPSを使って方位を検証してみました。コンパス測量器で下の写真のように262.0度くらいを指している場所で二周波GPSで検証したところ、260.4度が正しい値になりました。この場所は電線のある道路で日や時間帯によって最大1度くらいコンパス測量の結果がずれる地点です。もしかすると、近くの地中に電気設備があるのかもしれません。国土地理院が公表している偏角も実は場所によってかなり異なっているのではないかという疑いもあります。


こうなってくると方位磁石は当てにならないので、GPSコンパスに興味が出てきます。しかし、一般的なGPSコンパスは移動体に取り付けて、リアルタイムで方位を出力するもののようですね。それよりもむしろ長い基線を取って絶対的に正確な角度がわかるGPSコンパスが欲しいです。

そういう製品もあるにはあるようですが、上空が開けていないと精度はかなり悪くなるでしょう。お値段も相当高いのだろうなと思われ、やはり(昔のもので構わないので)二周波GPSで2地点を精密に測量することで方位を決めるのが現実的な方法ではないかと思っています。

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