準天頂衛星の補強信号であるL1-SAIF信号を使った試験をやったのですが、スギ人工林内では測誤差を小さくする効果はほとんど見られませんでした。
準天頂衛星の信号は天頂方向から地上に届くのでふつうに考えればスギ人工林でも周囲の傾斜に関係なしに確実に受信できそうに思われますが、なぜなのでしょうか?
実は準天頂衛星の信号は最も測位環境として厳しいと考えられるスギ人工林内でも確実に受信できていました。しかし、周囲の立木の影響を受けてしまい、その効果がわからないほどに大きな誤差が生じてしまったのです。
この実験ではコア社のCD311という機種を使っているのですが、マルチパスを除去するなどといった機能がないため、森林内では全く補正効果が現れません。そこで、マルチパス環境で威力を発揮してくれそうなTrimbleのHurricaneアンテナをつけて島根大学構内の街路樹の下でゆるい試験をしてみました。
CD311を2台使って、一方は最初からついていたANT-555という台湾製の安っぽいアンテナ、もう一方はHurricaneアンテナを使っています。高価なHurricaneアンテナをなぜ持っていたのか自分でも全然覚えてないのですが、昔買ったことを忘れていたような気がします(笑)。
その結果が下のようになっています。上がANT-555アンテナ、下がHurricaneアンテナです。
棒グラフの上の数値がSN比なのですが、Hurricaneアンテナの方が高くなっています。測位点のちらばりもHurricaneアンテナを使うとだいぶん小さくなっていました。このようなゆるい試験では確かなことはなんとも言えませんが、少し可能性が見えてきたと思ってます。
0 件のコメント:
コメントを投稿