2015年3月22日日曜日

買ってはいけない中国製LUMIX

私はPanasonicのデジタルLUMIXの大ファンです。いや、大ファンでしたと言うべきかもしれません。これまで愛用してきたのはDMC-TZシリーズで、DMC-TZ10、20、30、40と使ってきました。そのたびに、着実に進化を遂げている機能に感動を覚えていました。

しかし、昨年購入したDMC-TZ55にはただただ失望するばかりでした。写真ではわかりにくいですが、筐体の質感が非常に悪くなっているのです。具体的には塗装が汚く作りが安っぽくなっています。サイズは無駄に大きくなって、持ち運びが不便になりました。



質感が悪い理由はすぐにわかりました。これまでのDMC-TZシリーズは日本製だったのですが、DMC-TZ55は中国製なのです。Panasonicが利益の出ないデジタルカメラの収益性を高めるためにコストダウンを図ったのでしょうね。

今どき日本の家電メーカーの電気製品が中国製ということは全然珍しくはないです。それなりに満足して使える製品が多いこともわかっています。Panasonicの中国製品は一度シェーバーを買って失望したのですが、それと同じ失望感をお気に入りのデジカメで味わうことになってしまいました。

中国製の残念さを感じるいちばんのポイントは日本語フォントの汚さです。中国人が作ったのではないかと思うようなバランスの悪いフォントなのです。日本人ならこんな形の悪いフォントにはならないと思っています。


他にもいろいろ不満や不具合はあり、我慢に我慢を重ねていましたが、どうしても許せない問題がすぐに発生しました。晴天の昼間にiAモード(iHDR)で撮った写真がかなりの頻度で下のような暗闇になってしますのです。どうも逆光補正が働いているときにそうなってしまうようです。「LUMIXご相談窓口」に電話してみたのですが、そのような現象は確認されておりませんと門前払いされてしまいました。




ちなみに、iAモードのiHDRとは「露出の異なる写真を複数枚撮影して、1枚の階調豊かな写真に合成」するというものです。


その後もこの現象が続くので「LUMIXご相談窓口」に再び電話したのですが、そのような報告は全くないと言われました。私が電話して報告しているはずだからないはずはないのですけどね。修理に出して下さいと言われたので修理に出しました。

しかし、そのような現象は確認できないと言われて戻ってきました。その後もこの問題の発生が続くので再度修理に出したのですが、レンズ周りを交換されて、これで大丈夫ですと戻ってきました。しかし、問題は全く改善されていませんでした。もう一度修理に出したら基盤を交換しましたとのことで戻ってきました。しかし、それでも問題は改善されていませんでした。

カメラというものは海外で二度と撮れないような貴重な写真を撮ることもあり、こんな問題が頻発するようでは使い物になりません。問題が改善されないなら返金して欲しいと要望を伝えたのですが、できることはDMC-TZ57の新品への交換との最終的な回答が来ました。

DMC-TZ57でこの問題が発生しないなら、この対応で十分なのですが、DMC-TZ57でも同じ問題が発生する可能性があり、それならば問題の解決にはなっていません。実は同じ時期に購入したDMC-TZ60もボタンが反応しなくなり修理に出ています。DMC-TZ55もDMC-TZ60も中国製になってしまったのですが、品質の低下が著しいと感じています。

DMC-TZシリーズのような中国製LUMIXは買ってはいけないと思います。大切な写真が真っ暗になってしまうという経験をして、私の中ではLUMIXというブランド自体終わってしまいました。とはいえ、スマホのカメラで写真を撮る人が増えて売れなくなってしまったコンデジは種類が少なくなっており、他に選択肢があるかどうかもわからないですね。

2015年3月17日火曜日

クック諸島で日本の標準電波を受信した件

この前ニュージーランドの北東にあるクック諸島(ラロトンガ島)に遊びに行ってきました。帰りのフライトが早朝だったので、乗り遅れてはたいへんなので目覚まし時計を使いました。持って行ったのはシチズンの電波時計パルデジットベラR081です。この電波時計は日本の送信局にしか対応していないので、海外では標準電波で時刻を合わせることはできません。


CITIZEN (シチズン) 目覚し時計 パルデジットベラR081 電波時計 8RZ081-019

この電波時計は価格は激安なのに非常に高性能で、折りたためるので海外旅行に持って行くと便利です。しかし、電波時計を日本の周辺国で使うと、日本の送信局の電波を拾ってしまうので注意が必要です。韓国は日本と時間が同じなので問題ないですが、中国や台湾では危険ですね。

クック諸島は日本から遠く離れているので、まさかそんなことは起こらないだろうと安心していたら、なんと日本の標準電波を拾って時刻が補正されてしまいました。幸い、この日は早く目が覚めて眠れなくなっていたのでよかったのですが、下手をすると帰りの飛行機に乗り遅れるところでした。



標準電波は1,000kmが受信可能な範囲の目安なのだそうです。標準電波は日本国内でも京都のように受信が非常に難しい場所があるのに、日本から遠く離れたクック諸島にまで届くとは不思議ですね。

2015年3月16日月曜日

カシオの「世界初、GPSハイブリッド電波ソーラー。」を使ってみた

カシオのGPS電波時計G-SHOCK(GPW-1000-1AJF)を持って海外旅行に行ってきました。日本を出て、タイのバンコク、ニュージーランドのオークランドを経由して、クック諸島のラロトンガ島まで果てしなく遠い道のりでした。


今回の旅はタイムゾーンが次々に変化し、最終目的地のクック諸島は日付変更線までも越えるので、GPS電波時計は便利なのではないかという期待がありました。ところが、現実にはこの時計はほとんど使い物になりませんでした。

最初にバンコクの空港に到着して乗り継ぎがあるのですが、空港の窓際(ガラスの壁際)へ行ってもGPSの電波を受信してくれませんでした。窓際(ガラスの壁際)では上空の半分が遮られているので、GPSの電波を受信するのは困難であることはわかっています。とはいっても、タイムゾーンが変わる現地空港でGPSの電波を受信できないというのは致命的な弱点だと思いました。

今回旅をしていて気づいたのですが、空の開けた場所というのは空港の建物内はもちろん、空港の建物を出てからもそう簡単にはありません。雨に濡れないようにバスやタクシー乗り場や駐車場へ続く通路にはたいてい屋根があるからです。これではタイムゾーンの切り替えが最も必要な現地空港で切り替えるのが困難ということになってしまいます。

乗り継ぎの場合は次のフライトに遅れられないので時計を現地時刻へ合わせることが特に重要なのですが、空港建物内の窓際(ガラスの壁際)でもGPSの電波が受信できる確率は今回の旅では50%くらいでした。

日本に帰国してからも大きな問題にぶつかりました。バンコクを出て羽田空港に到着したのですが、窓際(ガラスの壁際)では何度やってもGPSの電波を受信できませんでした。幸い、日本では地上電波受信(標準電波)による時刻の補正ができますが、それも使えませんでした。

マニュアルによれば、この時計は夜間(午前12時から午前5時)に一定間隔で標準電波の自動受信を行い、それ以外の時間には標準電波を受信できません。結局、米子空港の屋外駐車場に出るまで、この時計を日本時間に戻すことはできませんでした。


ちなみに、この「午前12時」という表現には問題があると思います。深夜0時のことを言っているのだと思いますが、日本では午前0時と言うべき時間です。詳しくはこちらをご覧下さい。アメリカでは「午前12時」ですけどね。時計のマニュアルがこんなことでいいのでしょうか?

ところで、この時計には機内モードという設定があるのですが、ANAのルールでは「通信用の電波を発する状態にある通信機器」だけが出発から到着までの間に使用が禁止されています。このGPS電波時計は電波を受けるだけで発するわけではないので、ANA以外の多くの航空会社でも機内モードは必要ないはずです。

このGPS電波時計は「世界初、GPSハイブリッド電波ソーラー。」として日本国内のみならず海外でも大々的に宣伝されています。しかし、この広告の「屋内や悪天候など衛星を探知できない場所や環境では、地上電波受信に自ら切り替わる世界初のシステム。」はおかしいです。


GPS というのは全天候型のデバイスです。悪天候で使えなかったら船も飛行機も自動車も困るでしょうね。しかし、実際にそんなことはありません。

「地上電波受信に自ら切り替わる」が間違っていることは上にも書いたとおりで、深夜しか標準電波は受信できないので、それ以外の時間帯に帰国すると空港内では日本時間に戻すこともできません。(手動でタイムゾーンを動かすことはできます。)できもしないことをできると言い、しかもそれを「世界初」などと書いているトンデモ広告だと思いました。

この時計を実際に使ってみた印象は、針がぐるぐる回るギミックのおもしろさだけで、実用性に関してはゼロと言っていいほど何もないということです。GPSがほとんど役に立たないし、標準電波もろくに使えないし、アラームをセットするだけでも非常に操作が難しく、しかも上記のような誇大広告には驚きでした。

GPS電波時計に未来がないわけではありませんが、例えば空港の窓際(ガラスの壁際)では確実に時間の補正ができるようにする、標準電波を時間にかかわらず手動受信できるようにするといった性能の改善は必須だと思われます。