2013年8月28日水曜日

Trimble Pro 6H

最近Trimble Pro 6HというGPSレシーバーを使い始めました。この機種はこれまで両立が難しかった測位精度と受信性能を同時に改善した画期的な製品で、森林環境で使うには最も適していると思います。しかし、Trimble製品の常として、もちろん万全ではありません。



何が最もよくないのかというとマニュアルが不親切なことです。上の写真のような「QUICK START GUIDE」というのがついているのですが、これでいったい何がわかるというのでしょうか?これを考案したTrimbleの人って頭は大丈夫なのかと思ってしまいます。

もちろん、DVDの中にまともなマニュアルのPDFファイルが入っているのですが、その記述はとてもそっけないもので、これでは知りたいことがほとんわからないと思いました。おかげで最初はBluetoothの接続でつまずいて、次はアンテナ高をどこで測るのかがわからなくて、何時間も時間を浪費してしまいました。

Trimbleのサイトでは新しいファームウェアがダウンロードできるのですが、この機種には現在のバージョンを確認する方法がなく、このファームウェアの適用が必要なのかどうかもわからないなど残念な仕様になっています。そのおかげで、何か疑問が出てくるたびに販売店に問い合わせる必要があり、そういうのはたいへん心苦しいです。

Trimble Pro 6Hはモノ自体はとてもよくできているのに、これでは初心者にはハードルが高く、この機種を最も必要としている森林組合などの現場が使いこなせないのではないかと思いました。このGPSレシーバーを森林・林業関連の業務で使うためのノウハウ本が欲しいです。

2013年8月27日火曜日

PA6Cを車に乗せて走ってみた

PA6Cを車にのせて島根大学から三瓶演習林まで走ってみました。PA6Cの特徴は車がトンネルに入ると即刻捕捉していた衛星が落ちてしまうことです。今どきのGPSレシーバーはトンネルの中でもしぶとく受信していることが多いのですが、PA6Cはある意味潔いと思いました。

PA6CはNMEAのデータを吐き出しているので、カシミール3Dにこのデータを流し込めばリアルタイムに現在地がわかるのではないかと思ってやってみたのですが、うまくいきませんでした。NMEAは仕様がいろいろなので、どれにでも対応しているというわけにはいかないのでしょうね。

そこで、NMEAのデータをロギングして、それをGPS Visualizerでkmzファイルに変換し、Google Earthで軌跡を見てみました。この軌跡からもトンネルに入るとあっさりデータが落ちていることがわかります。


PA6Cが吐き出していたNMEAのデータは以下のようになっていました。5秒に1回だけ$GPGSVのデータを出しているようです。$PMTKで始まるセンテンスは、MTK社製のGPSエンジンに固有のフォーマットのようです。こちらのページに解説がありました。

$GPVTG,342.86,T,,M,31.67,N,58.68,K,D*33
$PMTKLOG,0,1,a,31,15,0,0,1,0,0*11
$PMTK001,183,3*3A
$PMTK869,2,1*36
$GPGGA,005937.000,3509.6646,N,13237.5703,E,2,10,0.93,493.3,M,28.2,M,0000,0000*61
$GPGSA,A,3,06,31,16,03,23,27,19,193,13,21,,,1.72,0.93,1.44*3B
$GPGSV,3,1,11,06,76,222,41,27,63,217,37,16,62,343,46,03,52,231,32*7B
$GPGSV,3,2,11,42,48,167,30,23,37,280,36,31,37,128,35,19,28,215,23*75
$GPGSV,3,3,11,21,27,075,15,13,24,310,31,193,15,162,24*71
$GPRMC,005937.000,A,3509.6646,N,13237.5703,E,31.82,337.23,260813,,,D*5B


$GPVTG,337.23,T,,M,31.82,N,58.96,K,D*34
$PMTKLOG,0,1,a,31,15,0,0,1,0,0*11
$PMTK001,183,3*3A
$PMTK869,2,1*36
$GPGGA,005938.000,3509.6728,N,13237.5655,E,2,9,1.21,492.0,M,28.2,M,0000,0000*57
$GPGSA,A,3,06,31,16,03,23,27,19,193,13,,,,1.93,1.21,1.51*3B
$GPRMC,005938.000,A,3509.6728,N,13237.5655,E,32.55,334.09,260813,,,D*5D


$GPVTG,334.09,T,,M,32.55,N,60.31,K,D*30
$PMTKLOG,0,1,a,31,15,0,0,1,0,0*11
$PMTK001,183,3*3A
$PMTK869,2,1*36
$GPGGA,005939.000,3509.6811,N,13237.5602,E,2,9,1.21,490.5,M,28.2,M,0000,0000*56
$GPGSA,A,3,06,31,16,03,23,27,19,193,13,,,,1.93,1.21,1.51*3B
$GPRMC,005939.000,A,3509.6811,N,13237.5602,E,33.01,332.62,260813,,,D*50


$GPVTG,332.62,T,,M,33.01,N,61.17,K,D*3E
$PMTKLOG,0,1,a,31,15,0,0,1,0,0*11
$PMTK001,183,3*3A
$PMTK869,2,1*36
$GPGGA,005940.000,3509.6889,N,13237.5539,E,2,9,1.21,489.4,M,28.2,M,0000,0000*5B
$GPGSA,A,3,06,31,16,03,23,27,19,193,13,,,,1.93,1.21,1.51*3B
$GPRMC,005940.000,A,3509.6889,N,13237.5539,E,32.84,327.69,260813,,,D*57


$GPVTG,327.69,T,,M,32.84,N,60.86,K,D*34
$PMTKLOG,0,1,a,31,15,0,0,1,0,0*11
$PMTK001,183,3*3A
$PMTK869,2,1*36
$GPGGA,005941.000,3509.6964,N,13237.5474,E,2,10,0.93,488.2,M,28.2,M,0000,0000*67
$GPGSA,A,3,06,31,16,03,23,27,19,193,13,21,,,1.71,0.93,1.44*38
$GPRMC,005941.000,A,3509.6964,N,13237.5474,E,32.99,323.00,260813,,,D*5B


$GPVTG,323.00,T,,M,32.99,N,61.13,K,D*3E
$PMTKLOG,0,1,a,31,15,0,0,1,0,0*11
$PMTK001,183,3*3A
$PMTK869,2,1*36
$GPGGA,005942.000,3509.7036,N,13237.5401,E,2,10,0.93,487.2,M,28.2,M,0000,0000*66
$GPGSA,A,3,06,31,16,03,23,27,19,193,13,21,,,1.72,0.93,1.44*3B
$GPGSV,3,1,11,06,76,222,39,27,63,217,35,16,62,343,45,03,52,231,43*73
$GPGSV,3,2,11,42,48,167,27,23,37,280,48,31,37,128,40,19,28,215,32*78
$GPGSV,3,3,11,21,27,075,41,13,24,309,40,193,15,162,17*7E
$GPRMC,005942.000,A,3509.7036,N,13237.5401,E,32.88,319.46,260813,,,D*5E

2013年8月25日日曜日

PA6CでMSASは使えるか?

PA6Cで準天頂衛星が捕捉できたことはたいへん喜ばしいのですが、使えるのは補完信号だけで、補強信号を使えるわけではないので、ただ単に衛星が1個増えただけでしかありません。これでは測位精度は上がらないと思われます。

測位精度を上げるなら準天頂衛星よりもMSASの方が重要です。そこで、MSASの信号が入るかどうか実験してみました。MSASの信号は弱いので、経験的には障害物があるとなかなか入ってきません。そこで、空の開けた場所でやってみました。

GPS Viewerで見たところ、50番の衛星(MSAS)が入っているのですが、完全に捕捉できたときは濃い青色になるバーが薄い青のままです。Fix Typeの欄も3Dから特に変化はありません。


そこで、受信機の方はそのままにしてMiniGPSに切り替えてみました。それでもやはりバーは白色で濃い青にはなりませんでした。しかし、Fix Typeのところを見ると、3D DGPSと出ているので、おそらくMSASは機能しているのでしょう。


ここで気づいたのですが、MiniGPSは東経(Lon : E)の表示がちょっとおかしいですね。最後の桁が必ずゼロになるというバグがあるようで、GPS Viewerの座標値とは常に異なっていました。こういういいかげんなところはいつもの台湾クオリティーです。

PA6Cで準天頂衛星

準天頂衛星に対応したPA6Cはとても興味深いGPSモジュールなのですが、電子工作をする技術はないので、IDAが販売している評価キットを買うことにしました。


ノートパソコンに接続してテストしようとしたのですが、この評価キットはデータの出力がRS-232Cなので苦労することになりました。今どき、RS-232Cなんてパソコンにはついていませんからね。

幸いUSBとRS-232Cを変換するアイ・オー・データのUSB-RSAQ5があったので、これを使って接続することができました。



この評価キットにはミニUSBの端子がありますが、これは電源を供給するためだけのもののようです。ゆえに、パソコンとは2本のケーブルで接続しなければならないことになります。


GlobalTopのサイトからダウンロードしたGPS ViewerやMiniGPSを使うと、準天頂衛星(PNRは193)が捕捉できたことがわかりました。バーの色が灰色のままなのはどうやら仕様のようです。天空図に193番の衛星が出ないのも、たぶん仕様という名のバグなのだろうと思います。


次に、Mini GPSで準天頂衛星の様子を見てみました。こちらはバーが濃い青色になっていて、天空図にも193番の衛星が出ています。準天頂衛星は利用できているとみてもよさそうです。


GPS ViewerではNMEAのログが取れるので、これを使えば地図アプリとの連携もできるのではないかと思っています。これについてはまたいつか挑戦したいです。

2013年8月5日月曜日

バッテリーのセル交換

何年も前に買ったTrimble製GPSのバッテリーが次々に寿命を迎えて困っています。バッテリーがまだ手に入るものは購入しているのですが、お値段がとんでもなく高くて、私のような貧乏人では破産してしまいそうです。

ノートパソコンではへたったバッテリーのセル交換をしてくれる業者がありますが、Trimbleのバッテリーのセル交換はリセルオンラインというお店がやっていました。

測量機器のところを見ると、たくさんのバッテリーが並んでいます。この一覧にはないバッテリーについても、問い合わせればセル交換ができる可能性があるようです。

こういうお店でバッテリーのセル交換をすると、メーカーの保証がどうとか安全がどうとか自己責任がどうとかいろいろあることは承知の上で、やってみようかと思っています。